第8回能登半島すずウルトラマラソン

第8回能登半島すずウルトラマラソン に参加した。

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11時間36分40秒。 最高な気候のもと、あまりトラブルなく走り続けることができ、これまでのウルトラの自己記録を1時間以上更新できた(実際の距離は2km長くて102kmなのに!)。

目標

これまでのウルトラでは60km過ぎにしんどくなって歩きが入ってきていたので、走り続ける距離を伸ばしたいなーと思い、「ラケット道路(77km地点)の登りの手前までは歩かない」を目標にしていた。

あと「日没前(スタート後12時間12分)までに帰ってくる」というのもあったけど、上を達成してればまあ自然といけるだろう。

スタートまで

金沢から会場までのバス+輪島泊のツアーを申し込んだ。 金沢までは北陸新幹線で行こうと思っていたが、1週間前の台風の影響で不通になってしまい、東海道新幹線米原まで→特急はくたか で。 前回の富士五湖ウルトラでは、前日朝に寝すぎてしまって夜寝付けないというのをやらかしたので、始発の新幹線をとって強制的に5時に起床できるようにした。

ラポルトすずで受付と説明会。太鼓のショーが迫力ある。

宿泊先の近くにはあまり買い物できるところはなさそうだったので、珠洲から輪島までの道中にバスが立ち寄ったコンビニで夕飯と翌朝の朝食を購入した。 早く寝たいという思いで、宿に着く前にバスの中で夕食食べてた。受付で参加賞としてもらったカロリーメイトもいただく。

宿に着いたら風呂入って20時ごろ就寝→2時過ぎ起床。風呂出た後あまり時間開けずに寝たせいか暑くて寝苦しかった記憶が…

朝ごはんのおにぎり2個とバナナカステラもぐもぐ。 粛々と準備をして、バスで会場へ出発。途中千枚田のあたりを通って、真っ暗でよく見えないけどこのあたりを走るんだー、と思ったり。

会場の外は若干寒く、ドリンクコーナーであたたかい味噌汁をいただいて飲んだ。あと、携帯するボトルにアクエリアスを入れてもらった。

エストポーチの中はこんな感じ。

途中で受け取れる自分エイドには、スポーツようかん x 2 とエナジージェル x 2 を入れて送った。 気候がかなりちょうど良さそうなので、着替えなどを置ける73kmへは何も送らず。

開会式がスタート10分前くらいから始まって、いろんな人が出てきて話して、これ時間大丈夫なの? とちょっとだけ思ったが、1分前には一通り終わった。テンポよく、あまり待たずにスタートできるので良い。

人々の中央あたりからぬるっとスタート。

0km-10km (1:00:41)

暗くて全然ペースわからず、適当に周りに合わせて。 最初2kmくらいは6:30/kmくらいでちょっと遅い感じだったが、そのあとは予定の6:00/kmくらいに落ち着いた。

ランナーのライトと反射タスキが道に連なって光っているのがきれい。

徐々に明るくなっていく道を進む。ウルトラはこの時間帯が最高。

7kmくらいで左に曲がると、先行ランナーが見附島の鐘を鳴らす音が聞こえてくる。

ライトと反射タスキを預けて、エイドではまだ食べる気はしないのでとりあえず飴だけもらう。

見附島にはゆるキャラがいた(看板だけだけど)。

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折り返して今来た道を戻っていく。 すれ違うランナーを見ていて、最後方は完走請負人の近くで集団になっていると思ったら、誰もいなかった。

10kmの標識があったけど、手元のガーミンでは9.6kmで、だいぶずれてた。標識を取り付けやすいところに置こうとしたからそうなったのか、見附島でどこを通って距離計測したかの違いでずれたのか…。

10km-20km (1:04:17 / 2:04:58)

あまり何もない道を淡々と走る。 途中、学校の体育祭で作ってそうな、(著作権的に危うそうな)巨大絵画パネルの前を通った。これ毎年入れ替わってるのかな。

17kmのエイドでトイレに少し並んで4分ロス。ここのエイドでチョコパンを食べた。うまい。

その後の田園地帯を走っている間に、朝7時を知らせる音楽が辺りに響く。のどかだ

20km-30km (1:03:57 / 3:08:55)

21kmのエイドでバナナを食べる。 ここから60kmコースの人たちと別れて、いよいよ登りの始まり。

八太郎峠の登りは、距離は長いもののけっこう短い間隔で小休止が挟まる感じで、先日の榛名湖マラソンで 1.5km切れ目なく続く登りx5 を経験している身としては楽に登れた。 そこまでペースも落ちず、6:10-6:20/kmくらいを刻む。 この周辺はしばらくエイドに固形物がないので、登りながらようかんもぐもぐ。

前日の説明会で、登りの中間地点の目印として紹介されていたタンク(?)が見当たらなかった。なくなってたっぽい?

登りきる直前あたりでもらえたオロナミンCおいしかったー。炭酸飲料を勢いよく飲むのが苦手なので1分以上ロスするけど…。

30km-40km (55:48 / 4:04:43)

登った分の標高200mくらいを一気に下る。 下りをゆっくり走るのが苦手で、ブレーキをかけず重力に逆らわない感じでどんどん行って、5分/kmを切るくらい。前を行く人を次々に追い抜けて気持ちいい。 まああとで足にくるかもしれないが、筋肉痛は気合いでなんとかなるので。 若干左のふくらはぎに違和感があって、これまで走りながら足がつったことないんだけど、つっちゃうかも…と気にかけつつ(しばらくしたら消えてくれたのでよかった)

八太郎峠を下りた町野エイドでは、ひとまず自分エイドは受け取らず、オレンジだけもらって先へ。

そして舟木谷峠。傾斜は八太郎峠よりも急だが、こちらは距離が短いことでそんなに辛くなかった。まあまだ序盤だし。 下り切るまでが思っていたよりも長かった。下り終わったかと思ったところで、まだ終わらんよという感じで登り坂が出てくるのは大変。

この辺は対向のランナーとすれ違えるので、気分が紛れて良い。

ただやっぱりさすがにこの辺から、足と腰とに筋肉痛が溜まってきているのを感じる…。

下りを勢いよく走ったせいで、この区間のラップがやたら早い。ウルトラで10km1時間切ったのは多分初めてだ。

40km-50km (1:03:00 / 5:07:43)

やっと海が見えてきてテンション上がる。 しばらくエイドでしっかりしたものを口にしておらず、早くカレーが食べたくて脳内でカレーはまだかーと叫びながら走ってた。 フルマラソン地点は4時間17分くらいだった。

43kmの名舟エイド。カレーをいただく。 これまでのウルトラではまともにエイドの食事を食べられてなかったので、普通に美味しく食事ができることのありがたみを感じる。

千枚田の折り返しまで、狭い歩道を安全に気をつけつつ向かいのランナーとすれ違う。 この辺はまだ景色を見る余裕があった。

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名舟エイドに戻って来たところでリンゴを数切れいただき、帰りの舟木谷峠へ。

50km-60km (1:10:11 / 6:17:54)

ウルトラはこのへんが準備運動終了で、いよいよ本番が始まる〜〜〜といったところ。なお準備運動で足はすでに相当筋肉痛のもよう。

峠を登っていく途中で完走請負人とすれ違った。まだ誰も周囲におらず、あれ、という感じ。さすがに100km走るような人々は40kmくらいまでは余裕ということかね。

ここの峠の下りでは、これまでの下りのようにペース上げられなくなってきた。6分若干切るくらい。平地とそんな変わらない。

54kmの町野エイドで自分エイドの袋からジェル類を取り出す。スタート時に持ってたの一つしか食べてないのでウエストポーチがパンパン。けど置いて行ったら処分されてしまうので頑張って詰め込む(貧乏性)。 エイドではお餅とオレンジをいただいた。オレンジがすごく美味しくて何切れも食べた。 ここでのエイド滞在は3分。

このあたりからエイドでの休憩時間が伸びるようになってきて、次の58km曽々木エイドでは4分滞在した。 パスタがあったけど、あまりパスタの気分ではなく、残念ながらスルー。

窓岩と垂水の滝はこの辺だったっけ。 f:id:tomerun:20191020110530j:plain f:id:tomerun:20191020111411j:plain

60km-70km (1:11:28 / 7:29:22)

63kmの塩田村エイド。 ここではじゃがいもが提供される。めちゃくちゃおいしい。

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何個か食べたいところだが、一気に食べると苦しくなること間違いなしなので1個でがまん。 あとトイレにも行った。色がやばい…(ウルトラあるある)。

60km過ぎて、エイドでのコーラを解禁した。 前回のウルトラでは結構序盤からコーラ飲んでたせいか、コーラ飲んでも味を感じなくありがたみがなくなってしまっていたが、今回はしっかり良い気分になれた。

次のエイドが6km先という一番間隔が広いところで、一番しんどかった。日本海の景色は綺麗だったんだろうけど、全然記憶がない…。

69kmの大谷エイド。そこまで暑いというほどではないけど、それなりに汗はかく感じなので、この辺りからときどき水を首筋にかけるようにした。

70km-80km (1:23:34 / 8:52:56)

73kmの自然休養村エイドがなかなか見えなくてつらかった…。

そしてエイドに着いたらめちゃくちゃ息が切れて、12分ほど座り込んでしまった。 麦茶があったのがすごくありがたかった。3杯飲んだ。

ウルトラの後半、走ってる途中はそんなでもないけど、休憩に入ると息切れがひどくなって数分休まないとリスタートできなくなるの、なんだろう。走ってる間のペースは落ちてないんだけど。

ともかく、大幅に休憩してしまったけど、目標の「77kmまでは歩かない」まであと少しだ、そこまで行ったら歩いてもいいぞ、という気持ちで走り続ける。 前後に誰もいなくなる時間が多いのもつらい。ひたすら脳内でペース計算してた。残り8:00/kmだったら12時間切れるぞ、とか。

76kmの和菓子があるエイドに着いた。 これ事前は楽しみにしてたんだけど、手持ちのようかんを食べてたのであんまり和菓子たくさん食べる気分じゃなく、ほんの一切れだけいただいた。

そしていよいよラケット道路が見えてきた、というタイミングで、これまで苦しみつつなんとか走り続けてたのが、なぜか急に楽になった。謎。マラソンなんもわからん。

というわけでラケット道路も頂上まで走り抜けてしまった。途中追い抜いたランナーからすごいですねーなど言われつつ。 傾斜10%超はさすがにかなり気合い入れないと走って登れないな〜。 まあ頑張って走ったところで疲れて頂上のエイドでめっちゃ休むから、あんまりタイム的に意味はなくただの自己満足ですが…。

80km-90km (1:16:03 / 10:08:59)

ラケット道路を登った分一気に降りる、が、足がバッキバキでやはりもうスピードは出ないので、平地と同じスピードでゆるゆると。

一つエイドを越えたら、狼煙エイド、の前の灯台

坂がやばいというのは知ってはいたが、いざ見るともう笑えてくるほどの坂だった。こんなところ走ったら体力どうこう以前に危険や。 歩いて登るのもやっとで、登り切った後も息が切れて走れず、歩いて灯台を回る。余裕がなく、周囲の景色も見れてなかった…。 灯台が整備中だったのちょっと残念。

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灯台を回って階段を登り、写真をとったあたりでようやく走り出せるようになった。 狼煙のエイドできのこ丼かカレー丼の選択。なんとなくきのこの方が胃に負担がかかりそうな気がして、カレー丼をいただく。 名舟エイドで食べたものよりもスパイシーだった。 周囲のランナーの方と、このまま行けたら明るいうちにゴールできそうですねーとか会話しつつ。

いったんヘッドライトを受け取ったけれど、この時間ならもう大丈夫でしょうということでまた預けた。

エイドを出たところの坂は、序盤だったらひょいと走って登れるような坂だけどもう無理しなくて良いよね、ということで半分くらい歩いた。 それでも7:30/kmくらいだからまあ十分だ。

90km-ゴール (1:27:41 / 11:36:40)

最後の峠を越えて、残り10kmの看板が現れ、いよいよ佳境ですなー感が出てくる。

92kmの寺家エイド。 豚汁をいただいた。めちゃくちゃおいしい。 豚汁食べたりアミノバリュー飲んだりチョコとったり水かけたり、かなりうろちょろしてたら、出発するときに係の方に「もう思い残しはないですか」と言われてしまった。 GPSの記録を見たら6分間滞在してた。休み過ぎや。

96kmの最終関門でもある本エイド。 おっちゃんからアツいじゃがいもの宣伝を受ける(ここではもう胃がきつくて食べれなかったけど)。

残り5kmからは看板が1kmずつになり、カウントダウン。

99kmにある最後のエイドはスルーしても良かった(実際、前を行くランナー数人はスルーしてた)んだけど、キリがいいタイムのギリギリとかでもないし、止まって水とチョコをいただく。

係の方にラスト頑張りますと声をかけ、ゴールへ向かう。 これだけ山、海、坂のあるコースの中、最後2kmは平坦な直線というのがウイニングラン感出てる。

ゴールに向かって徐々に勢いを上げていたら、ゴール200m前で信号に止められちゃった。仕方ない。 いったん仕切り直して、ゴール。

チップを外してもらってる間に記録証も素早く持ってきてもらえて、感動。

ゴール後は蕎麦をいただいた。走った直後すぐ食べられるのは成長を感じる。

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感想

これまでの反省点を生かして、ウルトラマラソンでのエネルギー補給がだいぶわかってきた感がある。 空腹感がなくても少しずつ食べておくのは大事。エイドごとに、出発するときに飴かチョコかを口に放り込んでおいたのも地味に効いてたかもしれない。 (まあ単純に全身的な体力が上がったから食べられるようになっただけかもしれないが)

エイドではだいぶ休憩したものの、最後まで走り続けることができ、これまでの100km記録を1時間短縮という結果になった。 このコースでこのタイムなら、サブ11まではすぐに行けそう。

エイドで休み過ぎなのが次の短縮ポイントで、ちょっと原因がわかってないんだけど、ここを改善できたらすぐ50分とか縮む。 逆に、初心者ボーナス的なのはそのくらいで打ち止めで、それ以降は地道に走力を上げるしかないから簡単に縮まなくなってくる。サブ10はかなり遠そう。

あと悪天候の大会の経験がないのも気にかかるところ。今回は、最低14℃最高19℃で少しの風と、ウルトラには最高のコンディションだった。

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この大会、これまで参加したマラソン大会の中で一番アットホーム感の強い大会だったと思う。 自分はいろいろな大会に出てみたいという思いが強いので、リピートするのは数年後になりそうだけど… 大会を継続するのは大変だろうと思うけれども、ぜひこの先も続いてほしい。

関係者の皆様、ありがとうございました。